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縁日(えんにち)

 縁日と聞くと、何かワクワクした気持ちになる人も多いのではないでしょうか?
 特に、お祭りなどで、焼きそばやたこ焼き、綿あめ、かき氷などの食べ物や、金魚すくい等の遊びの屋台がたくさん並んでいる風景を想像する人が多いでしょう。子どもの時に、浴衣を着て縁日に行っ思い出のある人も多いでしょう。
 おそらく、多くの方は、そうした屋台が並んでいるのが縁日だと思っているのではないでしょうか?
 本来、縁日というのは、文字通り「縁」がある「日」のことを言います。そしてその「縁」というのは、「仏さまとの縁」「神さまとの縁」のことです。
 例えば、観音さまの縁日は、十八日です。つまり毎月十八日に、観音さまの縁日が行われるということです
 仏教には「三十日秘仏」という考え方があり、一ヶ月の三十日それぞれに、いろんな仏さま(如来、菩薩、天、明王など)があてられ、それぞれの仏さまの縁日とされています。そして縁日にその仏さまにお参りすると、特別な御利益を得られるとされています。
 例えば、薬師さんの縁日である八日にお参りをすると病気平癒に御利益があり、閻魔さまの縁日である十六日にお参りをすると長生きとか災難除去の御利益があり、そして観音さまの縁日である十八日にお参りをすると、あらゆる願いがかなうとされているのです。
 特に観音さまには、毎月の縁日の他に、一年に一度の四万六千日(しまんろくせんにち)という縁日があります。七月十日がその四万六千日なのですが、この日に観音さまをお参りすると、四万六千日お参りしたのと同じご利益があると言われているのです。
 四万六千日を計算すると、約一二六年です。つまり、この縁日にお参りすると、一二六年間毎日お参りしたことになるというのです。
 仏さまへのお参りは、いつ行っても、清々しいものですが、こうした縁日にお参りするのも、励みになるものです。ぜひ頭の片隅に縁日のことを置いておいて、縁日のお参りに励むようにしていただければと思います。

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