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功徳(くどく)

画像(法華経)提供:東京国立博物館

 人は、良い行いをすることによって、だんだんと「徳」が備わっていきます。そして仏教では、その徳を積み重ねることが、かならず良い結果となって戻ってくるとされており、良い行いを積み重ねることを「功徳を積む」と言います。
 例えば、人に親切にしたり、親孝行をしたり、ということでも功徳を得られますが、お寺にお参りをしたり、お墓や仏壇にお参りしたりすることでも功徳を得ることができます。また写経をしたり、坐禅をしたり、あるいは仏像を彫ったりということでも、大きな功徳を得られます。
 曹洞宗の儀式の中では、「願わくばこの功徳を以て、あまねく一切に及ぼし、我らと衆生と、皆共に仏道を成ぜんことを」という言葉が唱えられることがあります。これは『法華経』の化城喩品の中に記されている言葉です。儀式によって積まれた功徳を、この世の中のすべての人々に届けて、共に成仏できるようにしたい、という誓願です。
 功徳は、自分だけのためだけでなく、この世の全ての人々のためにふり向けることが大切だと言うことです。
 また、功徳は、亡くなった人のところに届けることもできるとされています。私たちは、年回法要やお盆法要などに参加し、手を合わせることで、大きな功徳を積むことができます。しかしそれは、私たち自身のためでなく、亡くなったお祖父ちゃんやお祖母ちゃんに届けるための功徳です。
 こうして、亡くなった人に功徳を捧げることを、「追善回向」「追善供養」とも言います。
 功徳を積むということは、この世界の全ての人の幸せにつながることであり、亡くなった大切な家族の幸せにつながることです。そしてそれによって、自分自身の幸せにつながることなのです。

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