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ぜんざい

 あんこ好きの人にはたまらない「ぜんざい」。関東では、餅の上にあんこを乗せたものをいいますが、関西では、粒あんの汁に餅をいれたものを言うそうです。このあんことお餅の食べ物は、お経によく出てくる言葉の「善哉」がその名前のルーツなのです。
お経の多くは、お釈迦さまと弟子たちの会話でストーリーがつくられていますが、お釈迦さまが弟子たちを褒めたたえる時に、「善哉」という言葉を使います。今の言葉で言えば「よきかな」という意味です。お釈迦さまを関心させるような言葉を弟子たちが言った時に、「それはよいことだ」「すばらしいことです」「けっこう!」とお答えになるのです。
 一休さんというお坊さんをご存じの方は多いと思います。絵本やテレビでは、とんちのきいたエピソードがたくさん出てきますが、室町時代に京都の大徳寺で住職をしていた禅宗のお坊さんです。
実際の一休さんも、ユーモアにあふれたお坊さんで、とんちがきいていて、味わいの深い言葉をたくさん残しています。
「門松は冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」という有名な歌も、一休さんが残したものです。
この一休さん、ある時、弟子の一人がつくった餅入りの小豆汁を食べましたが、その小豆汁があまりにもおいしくて、感嘆の言葉をあげました。それが、「善哉此汁(ぜんざい・このしる/よきかな・このしる)」という言葉だったのだそうです。
餅入りの小豆汁が「ぜんざい」と呼ばれるのは、ここから来ています。みなさんも「ぜんざい」を食べる時は、この話を思い出して、「善哉此汁」と言ってみましょう。

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